あるYouTubeの番組で、上田桃子プロが人の色が見えるという話をされていました。出演されていたプロキャディの方達を、色で表現されていたのが非常に印象的でしたが、自身もそれに近い感覚があるなぁと思い、コラムを書くことにしました。
アスリートと向き合うとき、私がまず注目するのは彼らの「目」です。言葉では語られない真剣さや覚悟が、その目から感じ取れることが多いからです。しかし、選手をサポートするということは単に目の前のケアやトレーニング指導に時間を割くだけではありません。私にとって、その選手に関わる時間は、私自身の貴重な人生の時間を注ぐということ。そして、その時間は指導中だけでなく、それ以外の時間にも及びます。
選手から依頼を受けたとき、私はその選手の目に現れる覚悟を見つめます。目は嘘をつきません。彼らがどれだけ本気で目標に向かっているのか、その真剣さは私にとって非常に重要な判断材料です。しかし、それだけではなく、私が選手に向き合うとき、その時間は単なる指導の場に留まらず、私の頭の中では常にその選手のことを考えています。
ケアやトレーニングの時間が終わっても、どうすれば彼らがさらに良い状態になるか、どのようなサポートが必要なのかといった考えは私の頭を離れません。日常の中でふとした瞬間に、選手の姿勢や動き、調整すべき点が思い浮かび、それが次のセッションに生かされるのです。つまり、私の時間そのものが彼らに注がれているのです。
仲間のトレーナーも同じ考えを持っており、我々が選手と関わるということは、その選手に人生の時間を捧げることだと感じています。限られた時間の中で誰にその時間を使うか、選手の目に見える覚悟や情熱がその判断を左右します。
アスリートと向き合う時間は、ケアやトレーニングの瞬間だけではありません。彼らの成長や目標達成に向けて、私の考えは常に彼らのために巡っているのです。私にとって、選手に関わるということは、人生の時間をその選手に注ぎ込むということ。それが、選手と私との間に生まれる信頼の礎であり、目が持つ真実です。