口入れるものを考える

「絶対、腸内フローラ乱れてそう」

患者さんとの会話から「腸内フローラ」という言葉を伺うことが多くなってきました。メディア情報も増えてきと同時に、乳酸菌摂取をすることで腸を気にかける人も増えているようです。

今では検便による腸内フローラ検査も安価でできる時代になり、乳酸菌と合わせて引用される方が周囲でも増えています。そもそも腸内細菌叢の改善には、食養生、食生活を改善することが未来に向けて、最も大切ではないかと思います。しかし食養生はなかなか時間がかかるものでもあり、また有害な食材が平気で売られている世の中では、それを精査しながら口に入れていくことも、利便性と相反してなかなか素人には難しそうです。仮にこうしたことを難事に感じてしまえば、大敵であるストレスも発生し、腸内細菌は悪化してしまいます。

 

食材・栄養の何がいいかはよくわかってきても、その食事が容易に取れなければ長続きはしにくいものです。

それならばと…生きた乳酸菌を直接腸に噴霧したり、またはサプリとして引用する方がスピード感はあるといいます。私の場合、気長に食養生とサプリを併用しています。

先日出席した学会でも同様の内容を聴講していきました。NHKでもよく取り上げられているので、皆さんもご存知のように、脳と腸は相互に情報伝達・情報交換を 行い、互いに作用を及ぼしあう関係にあることが 分かっています。

腸と脳はホルモンやサイトカイン(タンパク質)などの液性因子を利用したり、自律神経を介しての作用 によって、互いに影響しあう関係にあるのが明らかにされています。脳と腸の関係性が分かってきましたが、最近では「脳と腸と腸内細菌」の3者相関とまで言われています。そもそも中枢の脳から末梢組織に対し影響与えることは誰もが認識していることですが、末梢組織や腸内細菌が脳に影響与えることもわかってきました。たいへん興味深いです。

生きる為に食べる、自分のために食べるとだけ考えていましたが、人に共生する40兆個のヒトマイクロバイオーム(人の微生物叢)も分身同様。細菌たちにもいい食事をとることが、健康維持に大切なようです。

ディスバイオシス=腸内細菌共生バランス失調のことを言うようですが、この乱れは便秘や下痢、また様々な疾病の発症だけではなく、イライラや不安、子供達の「キレやすい」なんていうのも、日々の食生活から腸内の乱れが原因ではないかと言われ始めています。

まずは自分の腸がどんな状態であるかを知るだけでも、何をしたらいいのか見えてくると思います。