ラグビーの魅力といえば、激しい接触プレーやダイナミックな試合展開。しかし、その一方で「脳震盪(のうしんとう)」のリスクがつきものです。特に頭部に強い衝撃を受ける場面が多いラグビーでは、脳震盪を経験する選手が少なくありません。
この記事では、脳震盪を起こしてしまった場合の対応方法や、プレー復帰までの流れについて詳しくお話しします
脳震盪後のプレー復帰には慎重さが鍵
脳震盪から回復しても、すぐに激しいプレーに戻ることはできません。脳が完全に回復していない状態で再び衝撃を受けると、症状が悪化するだけでなく、慢性的な障害につながる可能性もあるからです
ここでは、医師やトレーナーが推奨する「段階的な復帰プロトコル」をご紹介します。このプロセスに従うことで、選手の安全を確保しながら、試合復帰を目指すことができます
6ステップでの安全な復帰プロセス
1. 完全な休息(最初の24~48時間)
脳震盪が疑われた場合、まずは完全に身体と脳を休めることが必要です
- 運動はもちろん、スマートフォンやゲームなどの刺激も控えましょう
- 症状が残っている間は、絶対にプレーを再開しないでください
2. 軽い有酸素運動
症状が完全に消えたら、ウォーキングや軽いエアロバイクを試してみます
- この段階では、心拍数が上がりすぎない運動を選ぶのがポイントです
- 1日15~30分程度が目安です
3. ラグビーに向けた運動開始
次のステップでは、ランニングや体幹トレーニングなど、少し負荷の高い運動に移行します
- 接触のない動きで、ラグビー特有の動作を徐々に取り入れましょう
4. 非接触トレーニング
タックルを除いたパス練習やアジリティドリルを再開します
- 本格的な練習に戻る前の重要なステップです
5. 接触トレーニング再開
タックルやスクラムなどのコンタクトプレーを取り入れた練習を行います
- この段階で症状が出なければ、いよいよ試合復帰の準備です
6. 試合復帰
医師、トレーナー、コーチ全員の合意を得た上で、実際の試合に復帰します
- プレーヤー自身も違和感を感じた場合は、すぐに報告することを徹底しましょう
ワールドラグビーによる脳震盪受傷後の競技復帰に関するガイドライン
繰り返さないための注意点
症状が消えても油断しない
脳震盪は、症状が軽いからといって軽視してはいけません。一度症状が出た場合は、初期の段階に戻って再調整することが大切です
家族やチームと情報共有を徹底
選手だけでなく、家族や指導者が脳震盪のリスクを理解していることが重要です。異変を感じたときに周囲がすぐに気付ける環境を整えましょう
繰り返しのリスクを防ぐ
過去に脳震盪の経験がある選手は、新たに脳震盪を起こすリスクが高いと言われています。適切な保護具を使い、正しい技術を身につけることでリスクを軽減できます
安心してプレーを楽しむために
ラグビーは素晴らしいスポーツですが、選手の健康を守ることが第一です。脳震盪は一見軽く見える場合でも、慎重な対応が求められる怪我です。正しい知識と対応を身につけることで、安全に競技を楽しむことができます
次の試合に向けて、そしてラグビー人生を長く続けるために、脳震盪への理解を深めていきましょう!