骨折の症状(柔道整復を学ぶ・シリーズブログvol.005)

骨折の症状――早期発見のために知っておきたいこと

骨折は、私たちの生活の中で起こり得る一般的なけがですが、その症状を正しく理解しておくことは、早期の診断や治療に大きく役立ちます。今回は骨折時に現れる代表的な症状を中心に、どのように対処すべきかについてお話しします。


骨折時の主な症状

骨折が起きた際には、次のような症状が見られることが一般的です。

1. 痛み

  • 骨折部位に鋭い痛みが発生します。
  • 痛みは特に動かしたときや圧力をかけたときに強くなります。
  • 骨膜が損傷することで痛みが増幅されることが特徴です。

2. 腫れ

  • 骨折周辺に腫れが生じます。
  • 血管やリンパ管の損傷による出血や液体の滲出が原因です。

3. 変形

  • 骨が正常な位置からずれることで、見た目に異常が現れることがあります。
  • 特に長い骨(大腿骨や前腕骨)で目立つことが多いです。

4. 運動障害

  • 骨折した部位を動かすことが困難になります。
  • 痛みや骨のズレが原因で、日常的な動作が制限されます。

5. 内出血や皮下出血

  • 骨折部位に内出血が起こり、皮膚表面に青紫色の痕が現れることがあります。
  • 時間とともに色が変化していくのが特徴です。

6. 異常な可動性

  • 骨折箇所で通常では考えられない動きが見られることがあります。
  • この場合は無理に動かさず、早急に固定が必要です。

7. 感覚異常

  • 骨折が神経を圧迫または損傷する場合、しびれや麻痺が発生することがあります。

症状の発見後にすべきこと

骨折が疑われる場合、早急な対応が重要です。

  1. 動かさない

    • 骨折部位を無理に動かすと、損傷が悪化する可能性があります。
    • 応急処置として、布やスプリントで固定します。
  2. 冷やす

    • 腫れを抑えるために、骨折部位を氷や冷却剤で冷やします。ただし、直接皮膚に触れないよう注意します。
  3. 医療機関へ

    • 速やかに病院を受診し、正確な診断を受けます。
    • レントゲンやCTスキャンなどの画像診断で骨折の状態を確認します。

骨折の症状を放置すると?

骨折の放置は、合併症を引き起こすリスクがあります。例えば、骨の癒合不全や変形治癒、関節の可動域制限などが挙げられます。また、周囲の血管や神経に影響を与える場合もあり、症状が悪化することもあります。


まとめ
骨折の症状を正しく理解し、早めに対応することが、治癒への近道です。痛みや腫れ、変形などのサインを見逃さず、適切な対応を心がけましょう。

次回は、骨折の合併症についてお届けします。骨折が引き起こす可能性のある二次的な問題や、それに対する対策について詳しく解説します。ぜひご期待ください!

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