関節の損傷(捻挫・脱臼)について(柔道整復を学ぶ・シリーズブログvol.012)

関節の損傷(捻挫・脱臼)について――原因と治療の基本

関節は、骨と骨をつなぎ、体を自由に動かすための重要な構造です。しかし、捻挫や脱臼などの損傷が起こると、日常生活に大きな影響を及ぼします。今回は、関節の損傷について、その原因や症状、治療方法を詳しく解説します。


捻挫と脱臼の違い

捻挫とは

捻挫は、関節を支える靭帯が過度に伸ばされたり部分的に切れたりする状態です。外傷としては比較的軽いものから重度のものまであります。

  • 原因: 転倒や不意な動きで関節が正常な可動域を超えて動くこと。
  • 主な部位: 足首、手首、膝関節など。

脱臼とは

脱臼は、関節の骨が正常な位置から完全に外れた状態を指します。場合によっては周囲の組織(靭帯、神経、血管)にも損傷が及ぶことがあります。

  • 原因: 強い外力や転倒、交通事故などによる衝撃。
  • 主な部位: 肩関節、指関節、顎関節など。

損傷時の主な症状

捻挫の症状

  • 痛みと腫れが発生し、患部を動かすと痛みが増します。
  • 重症の場合、内出血や関節の不安定感がみられることがあります。

脱臼の症状

  • 激しい痛みと関節の変形が見られます。
  • 関節を動かそうとすると抵抗を感じ、正常な動きができません。
  • 周囲の神経や血管が損傷している場合、しびれや冷感が現れることがあります。

捻挫と脱臼の応急処置

捻挫の応急処置(RICE処置)

  1. Rest(安静): 患部を動かさず安静を保ちます。
  2. Ice(冷却): 氷や冷却剤で患部を冷やし、腫れを抑えます(20分間を目安に)。
  3. Compression(圧迫): 包帯やテーピングで軽く圧迫し、腫れを予防します。
  4. Elevation(挙上): 患部を心臓より高く上げ、血流を抑制します。

脱臼の応急処置

  • 固定: 無理に関節を戻そうとせず、可能であればそのまま固定します。
  • 医療機関受診: 脱臼は専門的な整復が必要なため、速やかに医療機関を受診します。

治療とリハビリ

捻挫の治療

  • 軽度の場合は安静と冷却で改善することが多いです。
  • 重症の場合、手術で靭帯を修復することがあります。
  • リハビリを通じて筋力や関節の安定性を回復させます。

脱臼の治療

  • 整復: 専門医が関節を正常な位置に戻します。
  • 固定: 整復後、関節を固定し、安定させます。
  • リハビリ: 筋力トレーニングや可動域の回復運動を行います。

まとめ
捻挫や脱臼は日常生活でよく起こり得る関節の損傷です。しかし、適切な応急処置と治療を受けることで、後遺症を最小限に抑え、早期回復が期待できます。損傷の原因や症状を正しく理解し、適切に対応することが大切です。

次回は、関節の構造と形態についてお届けします。関節の基本構造や種類を詳しく解説し、その役割についても触れていきますので、ぜひご期待くださ

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