ラグビーにおいてスクラムは、フォワード陣が一丸となって相手と押し合う重要な局面です。強いスクラムを組むためには、単なる筋力だけでなく、適切な姿勢や体の可動域が求められます。特に、胸椎(背骨の胸部)の可動域はスクラム時の姿勢の安定性や力の伝達に大きな影響を与えます!
胸椎の可動域がスクラムに与える影響
スクラムのセットポジションでは、背中をしっかりと固めながらも、適度な前傾姿勢を取る必要があります。この際、胸椎の可動域が十分でないと、腰や頸部に過剰な負担がかかり、スクラムの安定性が損なわれてしまいます。
適切な姿勢の維持
胸椎の可動域が狭いと、上半身が丸まったり、腰が過度に反ったりしてしまい、理想的なスクラム姿勢を維持するのが難しくなります。逆に、胸椎の可動域が広いと、正しいポジションを維持しやすくなります
力の伝達の最適化
胸椎の動きが制限されていると、肩甲骨や腰に無理な負担がかかり、スクラムの押し込みに必要な力を効果的に伝えられません。胸椎がしっかり動くことで、全身を連動させながら力を発揮しやすくなります
怪我の予防
胸椎の可動性が低いと、肩や腰への負担が増加し、腰痛や肩の痛みの原因になりやすくなります。特に、フロントロー(プロップ・フッカー)はスクラム時の衝撃をダイレクトに受けるため、胸椎の柔軟性が怪我予防の鍵になります
胸椎の可動域を向上させるトレーニング・エクササイズ
スクラムのパフォーマンス向上と怪我予防のために、胸椎の可動域を改善するエクササイズを取り入れることが重要です。以下のようなトレーニングが効果的です!
キャット&カウ(四つ這いで背中を丸めたり反らせたりする動作)
四つ這いの姿勢を取る(手は肩の真下、膝は腰の真下)。息を吐きながら背中を丸め、視線をおへそに向ける。息を吸いながら背中を反らせ、胸を開きながら視線を上げる。この動作を10〜15回繰り返す
胸椎回旋ストレッチ(オープンブックストレッチ)
横向きで寝る、両足をそろえ股関節、膝関節を90°に曲げる。手は前ならえの状態から上の手を開いていき胸椎の回旋をする。回旋が止まったら3回深呼吸をする。息を吐くと同時に回旋してゆく感覚があればOK。(ポイント:目線は開いてゆく手をみる。手が両肩の延長線より超えないようにする。下の手で上の膝を抑え骨盤の回旋が出ないようにする。)
フォームローラーを使った胸椎モビリティエクササイズ
背中にフォームローラーをセットし胸椎の伸展させます。可能な方は両ひざを曲げ左右にゆっくり倒しましょう
まとめ
スクラムの安定性とパワーを向上させるためには、胸椎の可動域を意識したトレーニングが不可欠です。胸椎がスムーズに動くことで、正しい姿勢の維持、力の効果的な伝達、そして怪我の予防につながります。日々のウォーミングアップやストレッチの中に、胸椎の可動性向上を意識したエクササイズを取り入れて、より強いスクラムを目指しましょう!