スキャプラプレーン(Scapular Plane)は、肩甲骨の自然な動きに沿った平面のことで、肩関節の機能を考えるうえで非常に重要です。具体的には、前額面(フロント)に対して約30〜45度前方に傾いた平面のことを指し、この角度で腕を動かすと肩関節にかかる負担が最も少なくなります。
このスキャプラプレーンの動きが適切でないと、肩だけでなく 頚部(首)にも大きな影響を及ぼします。今回は、そのメカニズムと影響について詳しく解説します。
1. スキャプラプレーンと肩甲骨の動き
肩甲骨は、上腕骨や鎖骨と連動して動く「肩甲上腕リズム(Scapulohumeral Rhythm)」を持っています。肩をスムーズに動かすためには、 肩甲骨の適切な動き(上方回旋・後傾・外転) が不可欠です。
しかし、このリズムが崩れると、肩甲骨の動きが悪くなり、代償的に頚部の筋肉が過剰に働いてしまいます。
2. スキャプラプレーンが崩れると頚部に起こる影響
① 僧帽筋上部の過剰な緊張 → 肩こり・首こりの原因に
肩甲骨の上方回旋や後傾が不足すると、肩を挙げる動作の際に 僧帽筋上部 の負担が増えます。その結果、首の後ろが硬くなり、慢性的な肩こり・首こりを引き起こします。
特に、デスクワークやスマホ操作が多い人は、肩甲骨が前傾・内旋しやすいため、スキャプラプレーンの動きが乱れやすいです。
② 胸鎖乳突筋・斜角筋の過緊張 → 頭痛や腕のしびれ
肩甲骨が正しく動かないと、肩を挙げる動作で首の前側の 胸鎖乳突筋や斜角筋 が過剰に働きます。これにより、
•首の前側が張る(胸鎖乳突筋の緊張)
•頭痛が出る(後頭部への牽引ストレス)
•腕のしびれが出る(斜角筋が神経を圧迫)
といった症状につながります。
③ 頚椎のアライメント異常 → ストレートネック・寝違えの原因に
スキャプラプレーンが乱れ、肩甲骨が前に倒れすぎる(内旋・前傾)と、頭部の位置が前に出て ストレートネック になりやすくなります。
ストレートネックになると、頚椎のカーブが失われ、枕の高さが合わなくなる ことで、寝違えを繰り返しやすくなります。
3. スキャプラプレーンを整えるための対策
① 肩甲骨の後傾を意識したエクササイズ
•壁に手をついて肩甲骨を後傾させる運動
•チューブを使ったローイング(肩甲骨の内転・下制)
肩甲骨を正しい位置に戻すことで、頚部の負担を軽減できます。
② 僧帽筋上部のストレッチとリリース
•耳を肩に近づけるストレッチ(僧帽筋上部を伸ばす)
•テニスボールやフォームローラーで首・肩をほぐす
③ 胸鎖乳突筋・斜角筋のリリース
•首をゆっくり横に倒し、軽く前に向けるストレッチ
•鎖骨の下を指で軽く押して筋肉を緩める
まとめ
スキャプラプレーンの動きが崩れると、肩だけでなく 頚部にも負担がかかり、肩こり・首こり・頭痛・腕のしびれ・寝違え などの症状が現れます。
そのため、肩甲骨の動きを整えることが、頚部の健康にもつながる ということを意識しましょう。
当院では、肩甲骨の調整やストレッチ指導も行っていますので、首や肩の不調がある方はお気軽にご相談ください!
ひらの接骨院
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