スクラム強化のカギは“股関節”と“胸椎”の可動域

ラグビーにおいてスクラムは、試合の流れを左右する非常に重要な局面です。特にフォワード陣にとっては「押し勝つ」ことが大きな自信と流れを生む場面でもあります。

そのスクラムでパフォーマンスを最大限に発揮するために、実は「筋力」だけでなく “股関節”と“胸椎”の可動域 が非常に重要な要素になることをご存知でしょうか?

なぜ「股関節の可動域」が大切なのか?

スクラムのセット時、選手は低い姿勢を維持しながら力を前方に伝える必要があります。
このとき重要になるのが「股関節の屈曲・外旋・内旋」の柔軟性です。

股関節の可動域が狭い選手は、深く腰を落とした姿勢が取りにくくなり、背中が丸まりやすくなります。結果的に「押す」力が逃げてしまい、スクラムで踏ん張りが効かない、腰を痛める、などのリスクにもつながります。

胸椎の可動性が生む「体幹の強さ」

スクラム時には、背骨全体の安定性も非常に大切です。特に胸椎(背中の中心部分)が硬いと、以下のような問題が起きます

  • 胸が開かず、肩が前に入る(=巻き肩)
  • 腰に過剰な負担がかかる
  • 首に力が入りすぎて怪我のリスク増

胸椎がしっかりと伸展・回旋できると、体幹全体の連動性が高まり、押す力を効率よく地面から相手へと伝えることができます。
また、首や腰の怪我を予防するうえでも、胸椎の柔軟性は見逃せません。

トレーニングやケアの実例

日々のトレーニングに以下のような要素を取り入れると、スクラムの安定感や押す力に変化が出てきます。

🔹 股関節に効くストレッチ

  • ワールドグレイツ(ワイドスクワットポジションからの内旋・外旋)
  • 90/90ストレッチ
  • スプリットスクワット(可動域広めに)

🔹 胸椎に効くモビリティエクササイズ

  • キャット&ドッグ+胸椎の回旋
  • 壁に手を当てたスパイナルツイスト
  • フォームローラーを使った胸椎伸展

まとめ

スクラム強化=筋トレと思われがちですが、それだけでは不十分です。
「正しい姿勢が取れる柔軟性」「その姿勢を支える筋力」 がそろってこそ、本当に強いスクラムが完成します。

チーム全体で股関節・胸椎の可動域を見直すことは、ケガ予防とパフォーマンスアップの両面で大きな効果が期待できます。

ぜひ、今日からのトレーニングやウォームアップに取り入れてみてください!

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