今回はチアダンスをしている方に多い「手首の痛み」、特に**TFCC損傷(尺側手関節の痛み)**について、わかりやすく解説します。
こんな手首の痛み、ありませんか?
•手をついた時にズキッと痛む
•重い人を支えるベースのポジションで違和感
•手首の小指側を押すと痛い
•フライヤーをキャッチした後から痛みが取れない
これらの症状がある場合、**TFCC(三角線維軟骨複合体)**という手首の構造が傷んでいる可能性があります。
TFCCってなに?
手首の小指側にあるクッションのような軟骨組織で、手首の安定性を保つ役割をしています。
チアダンスのスタンツ(持ち上げたり、キャッチしたり)では、この部分に強い圧力や捻れが加わるため、知らず知らずのうちに損傷してしまうことがあります。
痛みの原因は「繰り返し動作」と「体の使い方」
チアの演技では、瞬発的に手首に体重がかかる動作が多く、同じ方向に負荷が繰り返し加わることで、TFCCにストレスが蓄積します。
特に次のような人は要注意!
•手首の柔軟性が少ない
•肘や肩の連動がうまくできていない
•体幹や肩甲骨の安定性が弱い
実は手首だけでなく、上半身の使い方や協調性の問題が根本原因になっているケースも多いのです。
接骨院での対応法
当院では、手首の痛みに対して以下のような施術を行っています。
1.疼痛の緩和に立体動態波やハイボルテージを使用
より深部の組織まで電気刺激を届けることで、急性期の炎症を抑えたり、損傷部位の回復を促進します。特にハイボルテージは腫れや痛みの軽減に即効性が期待できます。
2.必要に応じて包帯固定を行い、患部の安静を確保
損傷の程度に応じて、包帯やテーピングなどを使って負担を軽減し、回復を早めるサポートを行います。
3.胸郭(肋骨周り)からの連動性を重視した全身評価と調整
チアやダンスでは、手首だけでなく体幹からの連動性が重要です。特に胸郭や肩甲骨の動きが悪いと、手首に過剰な負担がかかるため、体の使い方のクセや不均衡にもアプローチします。可能な場合は、事前にパフォーマンス中の動画を用意して頂くとより正確なお話が出来ると思います。
4.肩・肘・前腕との連動性トレーニングによる再発予防
再発しないためには、手首単体ではなく、全体の動きの中でスムーズに力を伝える練習が大切です。チューブトレーニングや可動域の改善を通して、無理のない動きを習得していきます。
早期対応がカギ!
「まだ我慢できるから…」と放っておくと、慢性的な手首の不安定性やパフォーマンス低下にもつながります。
違和感を感じたら、早めに専門家にご相談ください。
おわりに
チアダンスは華やかに見えますが、体には大きな負担がかかっています。
ケガを予防しながら、もっと自由に動ける体を目指していきましょう!