ケガからの復帰シリーズ 第3回 足首のケガから復帰するには?

~スタビリティを高めるリハビリと段階的トレーニング~

ラグビーの現場で多いケガのひとつが「足首の捻挫」です。
一度痛めるとクセになりやすく、何度も繰り返す選手も少なくありません。

今回は、足首をケガした選手が練習復帰するまでに必要なリハビリとトレーニングのステップをご紹介します。


✅足首は「安定性」と「柔軟性」のバランスが命

足首はジャンプ・ステップ・方向転換など、ラグビーにおけるあらゆる動作の土台です。

  • 可動域(柔軟性) → しっかりしゃがめる、走れる
  • スタビリティ(安定性) → 接触プレーや着地時のグラつき防止

この2つが揃って初めて、安心してプレーができます。


✅ 痛みが引いても、リハビリは続けるべき!

捻挫した選手の多くがやってしまうのが、「痛くないからもう走っていいだろう」という判断。
しかし、それでは再発リスクが非常に高くなります。

靭帯が緩んだ状態のまま動き出す=不安定な足首でラグビーをする
これは再受傷の元です。


✅ リハビリステップ:足首編(軽度の場合の目安)

【1】炎症期(受傷直後~数日)

  • 安静・アイシング・圧迫・挙上・固定(RICE処置)
  • 無理に動かさないことが最優先

【2】可動域回復期(1週間~2週間)

  • タオルギャザー(足指を使ってタオルをたぐり寄せる)
  • アルファベット運動(空中で足首を使ってA〜Zを描く)

【3】スタビリティ回復期(2〜3週間)

  • チューブを使った足関節周囲筋の強化
  • つま先立ち、つま先歩き、踵歩き
  • 片脚立ち、バランスパッドの上での安定練習

【4】競技復帰準備期(3〜4週間)

  • 片脚ジャンプ → 連続ジャンプ
  • サイドステップ → ランジ → 軽いスプリント
  • テーピングやサポーターを活用することも◎

✅グラウンドでもできるリハビリドリル(例)

  • 片脚立ちでのラグビーボールキャッチ(視線を動かす)
  • カラーコーンを使ったジグザグステップ(方向転換の練習)
  • 不整地での軽いラン・サイドステップ

※グラウンドの凸凹や芝も再受傷のリスクなので、丁寧に段階を踏むことが大切です。


✅復帰OKの目安チェック!

次の条件をクリアしていれば、練習復帰の準備が整ったといえます。

  • 片脚立ちで30秒グラつかない
  • 片脚ジャンプ連続10回が可能
  • ジグザグ走やカット動作で痛みなし
  • サイドステップ中に足首に不安感なし

これらの確認をせずに復帰すると、再発のリスクが高まります。


まとめ:足首のケガは「スタビリティ」で予防&再発防止!

  • 足首はプレーの土台。丁寧なリハビリが将来のパフォーマンスを守ります
  • 痛みが消えても、関節が安定していなければ復帰は危険
  • 毎日のバランストレーニングが、長くラグビーを続ける秘訣!

次回はシリーズ第4回、
**「痛みがなくても要注意!復帰前に行いたい“身体チェックリスト”」**をお届け予定です。

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