ラグビーと肩鎖関節脱臼|タックル動作に潜むリスクと復帰のポイント

先日、タックルの練習中に生徒が肩から地面に転倒し、「肩鎖関節脱臼」を起こしてしまいました。
ラグビーという競技の特性上、タックルやコンタクトプレーではどうしても肩への負荷が大きくなります。
今回は「ラグビーと肩鎖関節脱臼」というテーマで、起こる原因やリスク、そして復帰に向けたステップについて書いてみたいと思います。


■ 肩鎖関節脱臼とは?

肩鎖関節脱臼は、肩甲骨の「肩峰」と鎖骨の端にある「鎖骨外側端」との関節が外れてしまうケガです。
転倒や衝突などで肩の外側に強い衝撃が加わることで発生します。
ラグビーでは、タックルや倒れ込みの瞬間に肩から地面に落ちることで、この脱臼が起こることが少なくありません。


■ ラグビーにおける肩鎖関節脱臼のリスク要因

  • タックル時のフォーム不良(頭が下がりすぎて肩に負担が集中)
  • 地面との衝突時に肩から落ちてしまう着地姿勢
  • 筋力不足(肩周りの筋肉で衝撃を吸収できない)
  • 練習時の安全配慮不足(マットの使用、相手とのスピード差)

■ 肩鎖関節脱臼の分類と治療方針

肩鎖関節脱臼には大きく分けてⅠ~Ⅵ型までの分類があり、多くはⅠ~Ⅲ型です。

  • Ⅰ・Ⅱ型:保存療法(安静・リハビリ)で回復するケースが多い
  • Ⅲ型以上:手術が必要となることもある

どの程度の損傷かを正確に評価するには、整形外科での診察が不可欠です。


■ 復帰までの流れと注意点

保存療法の場合、多くは3~6週間で日常生活に戻れるようになりますが、ラグビーへの復帰には慎重な判断が必要です。

リハビリで重視したいこと

  • 肩周囲の安定性トレーニング(僧帽筋、三角筋、ローテーターカフ)
  • 体幹と肩の連動性の回復
  • タックル動作の再学習と安全なフォーム指導

■ まとめ

ラグビーにおいてコンタクトプレーは避けて通れませんが、その分ケガのリスクとも隣り合わせです。
今回のような肩鎖関節脱臼も、フォームや筋力、練習環境を工夫することで防げる場合があります。
ケガをした選手の回復をしっかり支えつつ、今後チームとしてどう安全性を高めていくかを改めて考えていきたいと思います。

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