ゴルファー向けトレーニングにウエイトは必要かvol.12

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20年前、ゴルファー向けにトレーニング指導の依頼を受けたり、または周囲のゴルファーからの質問を受けた際、「ゴルフにウエイトトレーニングは合っているかどうか」当時の答えは「わかりません」でした。それまで、多くのプロゴルファーがウエイトトレーニングをしてスイングを壊し、再生に苦労し失敗の経験談とともに、ウエイトトレーニングを否定をされていた時代でもありました。「ウエイトトレーニング以外のメニューで指導を受けたい」そんな具体的な依頼は珍しくない時代でした。

恐らく、当時のトレーニング指導者の背景がボディビルダー出身のトレーナーであったのではないかと推測の域を超えない話ではありますが、間違えなく言えることは、ゴルフは個々の筋肉の大きさを競うものではなく、何キロを持ち上げることを競う競技でもない。

ゴルファーの場合、スイングに必要な筋肉を適切な動きで動員できるかどうか、どのような順序で使うといいのか、複合的に体を動かすことが求められるため、ウエイトトレーニングのみではなく、連動や協働できる筋力を養うことがもとめられるでしょう。現代では、ゴルフ向けのトレーニングが確立され始め、またアスリートトレーニング指導者が増えてきたこともあり、適切な指導を受ける環境は整いつつあります。

ここで間違えてはいけないことは、ウエイトトレーニングが不要ではないということであり、正しく行えば下記のような効果は期待できます。

1. 筋力の向上
ゴルフスイングは全身の筋肉を使います。特にコアや下半身の筋力が重要です。ウエイトトレーニングによってこれらの筋肉を強化することで、よりパワフルで安定したスイングを実現することができます。

2. クラブのコントロール
ウエイトトレーニングは筋力だけでなく、筋持久力や爆発力も向上させます。これによって、ゴルフクラブをコントロールしやすくなり、スイング中のバランスや安定性も向上します。

3. インジュリー予防
筋力の向上はゴルファーのケガ予防にも役立ちます。強化された筋肉は関節や靭帯をサポートし、不安定な動きや負荷から身を守る役割を果たします。

4. 柔軟性とバランス
ウエイトトレーニングは単に筋力を高めるだけでなく、柔軟性やバランスも向上させる助けになります。これにより、より自然で効果的なスイングを実現することができます。

ただし、ゴルファーがウエイトトレーニングを行う際には、以下の点に留意する必要があります。

1. 適切なフォーム
ウエイトトレーニングを行う際には、正しいフォームを守ることが重要です。間違ったフォームで行うと、ケガのリスクが高まります。

2. 均衡の取れたトレーニング
特定の筋肉を過度に鍛えることなく、全身のバランスを考慮したトレーニングプログラムを組むことが重要です。

3. 休息と回復
ウエイトトレーニングを行う際には、適切な休息と回復も欠かせません。過度なトレーニングや過剰な負荷は、ケガや過労の原因になります。

総合的に言えば、ウエイトトレーニングはゴルファーにとって有益であり、スイングのパフォーマンス向上やケガ予防に役立つことが期待されます。しかし、個々のゴルファーの体力や目標に応じて、適切なプログラムを選択し、専門家の指導のもとで行うことが重要です。