体の不調や痛みに直面した際の適切な施設選び

体の不調や痛みは誰にでも起こりうるものです。しかしながら、どの施設を利用すれば良いのか、選択に迷うこともあるでしょう。

日本の医療体系は、救急医療や怪我の治療に関しては、広範囲にわたり整備されており、ほとんどの地域で迅速な対応が可能です。しかし、肩こりや腰痛、不定愁訴、深い疲れ症状などの慢性的な症状に対する対応は、まだ整備不足であると言えるでしょう。これらの症状は、緊急性が低いと見なされがちですが、日常生活における影響は非常に大きいものです。より体系的なアプローチや専門的な治療施設の拡充が求められています。

そうした中、医療機関以外のサービスが街中に溢れているところですが、日本は「消費者が良ければいい」という観点や「職業選択の自由」という原則のもと、伝統的なマッサージとは異なる名称を用いるリラクゼーション施設が多く存在します。例えば、「ほぐし」や「ボディケア」といったサービスが、街中の看板で見られることも少なくありません。

柔道整復師として私たちは、国家資格を有していることを明示することがありますが、多様な医療類似の行為が、資格の有無関係なくサービスが存在する中で、患者様の視点で見た場合、全てを網羅することは難しいとは言えます。

今回は、整形外科、接骨院(整骨院)、整体院、リラクゼーション施設の違いと、それぞれの施設が得意としている症状について簡単に解説します。この情報が、皆様の施設選びの一助となれば幸いです。

An examination room in a medical office with a bed, equipment, and charts.

整形外科

整形外科は、骨格や関節、筋肉、靭帯、神経などの運動器系の障害に対する診断、治療、リハビリテーションを行う医学の専門分野です。主に骨折、脱臼、関節痛、腰痛、スポーツ傷害、変形性関節症など、様々な症状や病態の治療を行います。整形外科では、外科手術を含む医療行為を行うことがあり、その目的は患者の痛みを緩和し、機能の回復を促進することにあります。

接骨院(整骨院)

接骨院は主に外傷(捻挫や打撲など)の初期治療に対応していますが、最近では、腰痛・肩こり対応のみで、怪我を診ない接骨院も増えており、全てが健康保険を利用できるわけではありません。また、一部の接骨院ではカイロプラクティックや独自の治療技術を提供している場合もあります。鍼灸接骨院というのは、鍼灸のサービスも提供できる接骨院と理解いただいて問題ないかと思います。

例えば、上記整形外科の記載にありますように、画像検査が必要であるお怪我に遭遇した場合、接骨院では対応できないことから

整体院

整体院は、体のバランスを整えることに重点を置いており、特に疲労やストレスから来る体の不調に対応しています。
本来、整体院には整体師を管理する法律や開業にあたり必要資格はありません。しかしながら近年は、鍼灸師や柔道整復師、理学療法士の資格を有する方が、健康保険範囲外の対応を行うために、あえて「整体院」を名乗るケースが増えています。特に鍼灸師は鍼灸院・柔道整復師は接骨院を呼称できますが、理学療法士はこうした資格とは違い、医療機関で勤務するケースが多く、理学療法院という名称で開業ができないため、整体院やフィジオセンターのような名称を名乗るケースが増えてきています。ご利用の際は、保有資格を事前に確認されてもいいかもしれません。

リラクゼーション施設

リラクゼーション施設は、街中以外に、サウナや大衆浴場にもありますが、主に気分転換や健康維持を目的としたボディケアを提供しています。(マッサージという商品名は、マッサージ師が提供するため、ボディケアの名称するケースが多い。)タイ古式・中国整体なども、特に資格を有さないサービスではありますが、中には上記のような国家資格を有しながら独自で学ばれているケースも存在します。

施設選びまとめ

こうして記載してみますと、我々のようにサービスを提供する側でも混同してしまう現状が日本かと思います。ご自身の体調により、こういうt期はレントゲンを撮った方が良さそうだから整形外科、整形外科に行く前に接骨院の先生に相談してみようとか、または薬は飲みたくないから、接骨院やその他のサービスを選択するなど、ご自身で判断されている方も増えつつありますが、最も紛らわしいのは、接骨院と整骨院は、ルール・サービス内容・必要資格共に同じでありますが、整骨院と整体院は管理法の有無や開業にあたり必要資格有無など、大きく違いはあります。

患者様の声を通じて

当院では、訪れる患者様の症例を定期的に紹介することで、実際の症例を通じて、施設選びの参考情報を提供しています。これにより、お住まいの地域の医療機関や接骨院、整体院をご利用の際に、より具体的な判断材料を提供できることを目指しています。次月よりご参考にいただけたら幸いです。