「質問は宝の山」・日々の疑問に光を当てる vol.203

質問は宝の山

私たちの日常は様々な疑問や発見に満ちています。このコラムは、患者様からの具体的な質問、選手たちからのLINEでの疑問、そして私自身の日々のひらめきから生まれたテーマに基づいています。ここに掲載される内容は、一見するとバラバラに見えるかもしれませんが、それぞれが私たちの健康やパフォーマンスに深く関わっています。これらの問いかけや疑問は、皆様の日常や挑戦にもヒントや示唆を与えることでしょう。

日々の生活の中で感じる小さな疑問から、大きな発見が生まれることもあります。そのため、このコラムを通じて、皆様が自身の疑問を解決する一助となれば幸いです。そして、質問を投げかけてくれた患者様や競技に臨む選手たちにとって、何か新たな発見があることを願ってやみません。

成長の糧

さて、ここ数週間、海外で試合に出ている選手たちから連絡を受けることがあります。

現場には帯同するトレーナーがいるものの、選手が疑問や不安を日本に投げかけてきます。
これは、一見現場にいるトレーナーに失礼ではないかと思いがちですが、全くもって自然なことで、私自身も若かった頃、遠征先で同じような状況に直面しました。「前のトレーナーに連絡したら◯◯と言ってたよ」と。当時は虚しさや悔しさに苛まれることもありました。時にはそのすべてを投げ出そうとすら考えました。ただそれは単に力量が足りなかっただけなのです。そしてこれら経験全て、成長の糧とするしかなかったのです。

50年以上の人生を経て、今、そのようなネガティブな経験も、逆にポジティブな経験も、結局は取るに足らないものだと考えるようになりました。どちらも私たちの日常に密接に共存しており、一つの事象が全てを定義するわけではありません。それぞれの経験は、背中合わせの存在として、私たちの成長に不可欠だということ。

大切なのは、どのようにしてこれらのネガティブな事象を将来の成長につなげていくかではないでしょうか。

挑戦と成長の道は決して簡単ではありませんが、経験から学び、前向きに進む力を私たちは確実に持っています。そして、その力こそが、どんな困難も乗り越える鍵となるのです。選手が投げかけてくる難題、そして期待に応えることが自身の成長につながるヒントを投げかけてくれているのです。ポジティブな経験とネガティブな経験が共存するという考え方は、心理的な回復力や成長にとって非常に重要です。ネガティブな事象を受け入れることは、それを乗り越える過程の一部として理解されることが多いです。

具体的には、こんな感じではないではないでしょうか。

失敗や挫折を経験したとき

失敗は誰にとっても避けがたいものですが、これを受け入れることで、何がうまくいかなかったのか、どのように改善できるのかを学ぶことができます。自己反省と成長の機会として失敗を見ることが重要です。

感情的な痛みや悲しみを感じるとき

人は誰しもが失恋や愛する人の死など、悲しみや痛みを伴う状況に直面します。これらの感情を抑圧せず、適切に表現し処理することで、心の回復を促し、耐えられる力を育てます。

ストレスや不安が高まっているとき

日常生活の中でストレスや不安を感じることは自然なことです。これらの感情を無視するのではなく、認識し対処する方法を見つけることが重要です。ストレス管理の技術を学び、実践することは心身の健康に役立ちます。

自己の弱点や限界を認識したとき

自分の弱点や限界を認めることは謙虚さと自己認識を促進し、自己改善の道を開くことができます。完璧でないことを受け入れ、それを改善または補強する方法を探求することができます。

これらの状況は、ネガティブな体験をただ消し去るのではなく、それを理解し、受け入れることで、より強く、より賢く、より適応性の高い人間に成長する機会を提供します。このような視点から見ると、ネガティブな体験もまた、私たちの人生の重要な一部として機能するのです。