野球は「さん」サッカーは「くん」⁉︎ vol.95

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以前、新人スタッフAから「健太郎くん」と呼ばれた(健太郎は先輩)スタッフの健太郎は「えっ健太郎くん?」と驚いた顔をした。もう一人の新人スタッフBは「健太郎さん」と呼び、先輩も心地良さそうな顔をしていた。今までBスタイルの流れではあったが、A君が新しい風を入れたのです。

野球出身者が目上の人に「さん」を付けるのに対し、サッカー出身者が「くん」を使用する傾向にあるように思う。そう、A君はサッカー出身者で、B君は野球出身者。これまで弊社で採用するスタッフは、出身スポーツの違いで、何か特徴を感じることがあります。
「さん」と「くん」、それぞれのスポーツ文化やチーム文化におけるコミュニケーションスタイルの違いが影響していると考えられます。

文化的背景

野球の伝統とフォーマリティ

日本の野球界では、伝統的に厳格な上下関係が存在し、目上の人には敬意を表して「さん」を付けることが一般的です。この文化は、高校野球やプロ野球においても顕著で、しきたりや礼儀が非常に重んじられています。

サッカーのカジュアルなコミュニケーション

サッカー界では、よりフラットでカジュアルなコミュニケーションスタイルが取り入れられていることが多く、特に若手選手とベテラン選手との間でも親しみやすさを重視するために「くん」を使うことがあります。これはチーム内の連帯感や一体感を強化するためとも言われています。

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チーム内の人間関係

連帯感の強調
サッカーのチーム文化では、年齢や経験の差を超えてチーム全体の団結を促すために、敬称をカジュアルにすることで障壁を低減しようとする傾向があります。これにより、コミュニケーションがスムーズに行われ、より自由な意見交換が可能になります。

野球のフォーマルな関係性
一方で野球では、目上の選手やコーチを尊重する文化が根強く、その表れとして「さん」付けが一般的です。これにより、リーダーシップと尊敬のバランスを保ちつつ、チームの秩序を維持しています。

練習環境とコーチングスタイル

指導方法の違い
野球とサッカーでは、指導方法にも差があることが影響しています。野球は個々の技術の習得と徹底した基礎トレーニングが求められるスポーツであり、指導者への敬意が強調される傾向があります。サッカーはゲームの流れや戦術を重視し、選手同士の対話や相互作用が多いため、よりフレンドリーな呼び方が用いられることがあります。

これらの違いは、日本の野球とサッカーが持つ独自の文化的な背景や伝統に根ざしています。スポーツにおけるコミュニケーションスタイルは、それぞれのスポーツが長い間に培ってきた習慣や価値観に影響されるため、これらの違いが表れるのです。