医療専門家がゴルフのテクニカルを学ぶvol.128

Professional golfer. Bali. Indonesia.

傷害を抱えたゴルフ選手たちを診る仕事を生業としているということは、医療やリハビリの専門家としてその分野の技術と知識を持っていることを意味しますが、一方で、ゴルフというスポーツは身体的な側面だけでなく、精神的な側面やテクニカルな側面も重要です。

可能性として、ゴルフというスポーツは一般的には、比較的軽度な身体的負荷で行われるものではありますが、適切なフォームや動作が必要であり、特定の部位に負荷がかかることもあります。そのため、傷害を抱えた選手たちにゴルフをプレーする上でのサポートやアドバイスを提供することも、専門分野と関連することが考えられます。

例えば、特定の傷害に対する運動療法や予防法、適切なウォーミングアップやストレッチングの方法などを提供することで、選手たちが安全にゴルフを楽しむことができるようになるかもしれません。ただし、これはほとんどのトレーナーが既にサポートしているでしょう。

また、心理的な側面にも焦点を当てることができます。競技者としてのプレッシャーやストレスを軽減し、ゴルフをより楽しむための心理的なサポートを提供することも重要です。シンプルに言えば、円滑なコミュニケーションスキルです。

長い間、ゴルフスイングを一人のアマチュアゴルファーの目線でみていましたが、ゴルファーのサポートがはじまり、医療的・傷害予防的な視点でゴルフ・ゴルファーを見るようになっていました。有難いことに、人を通じて各地から故障を抱えた選手たちの相談を受けるようになったものの、どこかゴルフ界に溶け込めていない気がしていました。

テクニカルな面で知識が十分でない

それはティーチングサイドの学び、テクニカルな面で知識が足りないということに気づいたのです。「トレーナーはこういうもの。」
自分で態々壁を作ることはないですが、「ゴルフトレーナーとはこういうものだ」と決めていたのかもしれません。選手やコーチ、キャディさん、トレーナーを「TEAM」と考えた際に、トレーナーはゴルフが知らないという見方をされることが多かったことを何度も経験してきました。しかし、このままでいいのかどうか…良い訳はありません。「そろそろ本気で学べ」ということなのかもしれない。

これまで取り組んできたこと

顧問・コーチとの連携は、これまでどの競技においても心がけていました。しかしそうは簡単に行きません。
特にゴルフコーチ。同じスイングを教えるコーチに限り、一つの教え方から1mmも譲れない雰囲気を察するのです。拘りは自由だが、早急に上手くなるわけでもなく、故障者が増えているなら、何か改善すべきではないか、そうお伝えしてもなかなか変えられない。

「平野さんはゴルフを知らないから」
「平野さんはゴルフプロじゃないから」
「言っても仕方ない」

そんなように話されるコーチもいれば、理想だけぶつけてくるコーチもいました。
ティーチングを生業とするわけではありませんが、ゴルフスイングの原理原則を知らないと対等な関係で話が成立しないのでは。
共通言語を見つけ出す前に、先ず相手型の学びをする。そこに行き着いたのです。

「森ゼミ」とは

ここ数年上記のような悩みがあったことは事実。ただ、勝手に領域に制限をかけていたトレーナーが次の一歩を進めさせてくれませんでした。ただ、こうした考えを日頃口に出していると、必ずチャンスが訪れるのだと再びワクワクしたのです。ツアープロコーチでもある 森守洋プロが主催される「森ゼミ」に出席する機会をいただいたのです。
ここで学べたことは、ゴルフスイングの「原理原則」(書籍の名前と同じ)ですが、今回はその内容ではなく、ゴルファーに、私なら患者様へのコーチングにおいて大切なことが付随されていました。どんなに素晴らしい理論でも、お客様に伝えられなければ意味はない。改めて気付かされたのです。

原理原則以外に気がついたこと。

1. 専門知識の習得

ゴルフコーチングにおいては、ゴルフの技術や身体の動きに関する深い知識が必要です。同様に、接骨院の営業では、身体の解剖学や怪我の治療法などに関する専門知識が必要です。これらの分野での知識を深めるために、定期的な研究やトレーニングを行い、最新の情報をキャッチアップすることが重要。

2. コミュニケーションスキル

ゴルフコーチングや接骨院の営業において、クライアントとのコミュニケーションは非常に重要です。クライアントのニーズや要望を理解し、適切なアドバイスや治療法を提供するために、優れたコミュニケーションスキルが必要です。また、クライアントとの信頼関係を築くことも重要。

3. カスタマイズされたアプローチ

クライアントごとに異なるニーズや目標があります。ゴルフコーチングや接骨院の営業においては、クライアントの個々の状況に合わせたカスタマイズされたアプローチが重要です。クライアントの目標や制約を理解し、それに合ったプランや治療法を提供することが求められます。
ゴルフスイングに例えたら、コーチが教えたいスイングを提供するパターンや、接骨院でも例えば骨盤矯正をやたらに進めることも、相手の目的にあってない、または相手のお体に合ってないこともあるでしょう。

4. 継続的なサポート

ゴルフの技術向上や怪我の治療には時間がかかることがあります。ゴルフコーチングや接骨院の営業においては、クライアントに対する継続的なサポートが重要です。定期的なフォローアップやアフターケアを提供し、クライアントが目標に向かって進んでいることを確認することが必要です。この回数はできる限り少なく結果へと導けることが理想といえます。

5. マーケティングと広報活動

ゴルフコーチングや接骨院の営業においては、効果的なマーケティングと広報活動が不可欠です。自身の専門知識やサービスを適切にアピールし、ターゲットとなるクライアントにリーチするための努力が必要です。オンラインやオフラインのプロモーション活動を通じて、自身のブランドを積極的に宣伝することが重要です。

まとめ

ゴルフ帯同トレーナーの頃、ゴルフ場からあげるSNSみて、友人が「よっちゃんプロゴルファーになるらしい」と噂を立てたことがありました。勿論嘘です。私のこの先、何が生業となるかは分かりませんが(笑)、ゴルフスイングのテクニカルな面を学ぶことにより、医療やトレーニングの学びと合わせて、患者さんや選手に対するアドバイスが、限りなく本質に近づけるのではないかと自身に期待をしているところです。