適切なウォーミングアップとクーリングダウン
皆様、おはようございます。
前週に引き続き「芝球健美(しばたまけんび)」シリーズの第2週目をお届けします。
今週はゴルフプレイ前後の体のケアに焦点を当て、適切なウォーミングアップとクーリングダウンの重要性とその方法について掘り下げます。これらは、怪我の予防と体の健康維持に欠かせない要素です。患者様から「来院するタイミングとして、ゴルフ前がいいか、ゴルフ後がいいのか」と質問を受けることがあります。答えは両方ですが、どちらかと言われた場合、その方の年齢やお体の状態でお答えしたいところですが、リカバリー・回復をテーマに「ゴルフ後」をお勧めしています。
ゴルフ前のウォーミングアップの重要性
ゴルフを始める前のウォーミングアップは、怪我のリスクを最小限に抑え、プレイの質を向上させるために非常に重要です。体温を上げ、血流を促進し、筋肉を柔軟にすることで、より動きやすくなります。
ウォーミングアップ色々
軽いカーディオ
5分程度の軽いジョギングや早歩きで心拍数を上げます。
早歩き
コース上を軽快に5分間歩くことで、体全体の血流が良くなります。数ホールカートに乗らないのもいいでしょう。
ジョギング
場合によっては、軽いジョギングを数分間行うことで、より積極的に心拍数を上げることができます。
ステップアップ
低い段差を使ってのステップアップは、下半身の筋肉を効果的にウォームアップします。
バイク
日本のゴルフ場ではほとんど見かけないですが、利用可能であれば、数分間のバイクの使用が効果的です。
その場で跳ぶ
その場でゆっくり跳びはねることで、足腰を温め、体全体の血流を促進します。
ダイナミックストレッチ
腕振り、脚振りなど、関節を大きく動かすストレッチを行います。
素振り
上記のうち一つでも2つでも可能な環境で選択していただき、体が温まってきたら、関連する筋肉群をスタート前に慣らします。
論文出典
研究によると、ダイナミックストレッチはパフォーマンスの向上に寄与し、スポーツ関連の怪我を減少させる効果があると報告されています(出典: Journal of Sports Medicine)。
ゴルフ後のクーリングダウンの重要性
プレイ後のクーリングダウンは、急激な活動後の体を落ち着かせ、疲労物質の除去を助けます。適切なクーリングダウンを行うことで、翌日の筋肉痛や疲労感を軽減し、回復を早めることができます。ケアのみに頼らず、プレー後に一手間かけることで、蓄積量を減らすことができそうです。
運動後のクールダウンが筋肉疲労の軽減にどのように役立つかについて、いくつかの研究があります。特に、筋肉に蓄積される乳酸を効果的に除去するためにクールダウンが推奨されています。乳酸は運動中の無酸素呼吸の副産物であり、筋肉内に蓄積することで筋肉のpH値が低下し、これが疲労の原因となることが知られています (Medicine LibreTexts)。
さらに、パワーリフティングの文脈では、適切なクールダウンが非常に重要であるとされています。クールダウンによって血流が促進され、これにより乳酸などの廃棄物の除去が助けられ、筋肉の修復と回復が促進されます。また、筋肉の柔軟性を高め、運動後の筋肉痛の重症度や持続時間を軽減する効果もあります (TheSportsReviewer.com)。
運動後にクールダウンを行うことで、筋肉の回復を助け、次回の運動パフォーマンスへの準備が整います。これは、特に長時間の運動や強度の高い運動後に重要であり、体の長期的な健康と運動能力の維持に関係します。
クーリングダウンの手順
軽いカーディオの継続
ゴルフの後も5分程度歩き続け、徐々に心拍数を下げます。プロは別として、アマチュアのラウンドでは難しいかもしれません。
ストレッチ
特に使った筋肉群に焦点を当て、15秒以上かけて各ストレッチを行います。周囲には、多くのゴルファーがおりますが、ラウンド後に入浴もせず、そのまま車で帰宅するスタイルをとっている方もおります。帰りの渋滞も含めて、疲労が蓄積しやすいので、できる限りプレー直後にストレッチをしておくことや、水分をしっかり摂取しておくことが大切です。
血流促進
クールダウン中に行う軽い運動は、血流を良くし、運動中に筋肉に蓄積された乳酸やその他の代謝廃棄物の除去を助けます。これにより、筋肉痛の予防や軽減に繋がります (TheSportsReviewer.com)。
筋肉のリラクゼーション
ゆっくりとした動きやストレッチは、運動によって緊張した筋肉をリラックスさせ、柔軟性を保つのに役立ちます。これにより、筋肉や関節の怪我のリスクを減らすことができます。
深呼吸とリラクゼーション
深くゆっくりと呼吸を行い、リラックスして体の緊張を解放します。
水分補給
運動中には大量の汗をかくことで体内の水分と電解質が失われます。水分補給は、この失われた水分と電解質を補うために不可欠です。
体温調節
水分補給は体温の調節を助けます。体内の水分が十分であれば、体温の急激な変化を防ぎ、熱中症などのリスクを減らすことができます。
パフォーマンスの維持
水分と電解質は筋肉の収縮に必要です。十分な水分補給を行うことで、筋肉の機能が正常に保たれ、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。
運動後は特に、これらの水分と電解質の補給に注意を払うことが重要です。また、水分補給はクールダウンの一環としても機能し、体の回復をより効果的にすることができます。運動直後に水分を摂ることは、代謝活動を正常化し、体の回復を早める助けになります。
論文出典
クーリングダウンが疲労回復に役立つことは、多くのスポーツ科学研究で確認されています
(出典: International Journal of Sports Physiology and Performance)。
これらのウォーミングアップとクーリングダウンの手順をゴルフのルーティンに取り入れることで、怪我の予防だけでなく、より快適で健康的なゴルフライフが送れるようになります。来週も健康的なゴルフのための更なる情報をお届けしますので、ご期待ください。