クラブの動きに注視する vol.155

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私たちアマチュアゴルファーが、ゴルフスイングなどの動作を改善しようとするとき、しばしば自分の体の各部位にどのように動いてほしいかに集中しがちです。しかし、このように体の動きを細かく意識することが、実はスムーズな上達の妨げになることがあるんです。スポーツの心理学では、パフォーマンスを最大化するためには、外部的な焦点(例えばクラブの動きやボールの行方など)に注意を向ける方が効果的だとされています。

このアプローチは、運動の流れを自然にし、私たちの思考が過剰に干渉することなく、よりリラックスして技術を習得できるようにするために役立ちます。だから、もしもゴルフのスキルアップに挑戦中のあなたがいるなら、ぜひ一度、外部に焦点を当ててみてください。それはボールの飛ぶ方向やクラブの振りを感じることから始めることができます。このシンプルな変化が、ゴルフライフに新たな楽しみと上達をもたらすかもしれません。ということで、文字だらけになりますが今日もよろしくお願いします。

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1. 内部的焦点と運動の自然さの欠如

内部的焦点、つまり体の特定の動きや筋肉の使用に集中することは、特にアマチュア選手にとって運動の流れを妨げる可能性があります。このような焦点は、運動を行う際の自然なリズムや流れを妨げ、無意識の動きを過剰に認識させることでパフォーマンスを低下させることが知られています。神経系が過度に活性化すると、動作が硬くなり、非効率的な動きが生じやすくなります。

出典:研究によると、内部的焦点が運動の流れを妨げ、自然な動きを困難にすることが示されています(Wulf, G., & Prinz, W., 2001)。この研究は、内部的焦点が運動技能のパフォーマンスを低下させる可能性があることを示唆しています。

2. 認知的負荷の増加

体の各部位に注意を払いすぎると、認知的負荷が大きくなります。つまり、運動中に考えるべきことが多すぎると、パフォーマンスに必要な注意やリソースが分散され、効率的な動きが困難になる可能性があります。アマチュアゴルファーは特に、技術的な詳細に囚われがちで、その結果として本来の動きが阻害されることがあります。

出典:運動実行時の認知的負荷が高いとパフォーマンスが低下することを、Swinnen, S. P. (1998) の研究が支持しています。この研究では、多くの注意リソースを必要とする運動タスクが認知的にどれほど負担になるかが評価されています。

3. 練習と実際のプレイのギャップ

練習環境では体の動きに焦点を当てることが有効かもしれませんが、実際のゲーム環境では状況が変わります。ゲーム中は結果(例えばボールの飛距離や方向)に焦点を当てることがより重要です。内部的焦点による練習が多すぎると、実際のプレイの際に最適なパフォーマンスが発揮できないことがあります。

出典:Beilock, S. L., & Gray, R. (2007) の研究は、練習中に内部的焦点を使用すると、実際のゲームパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることを示しています。この研究は、実践環境での外部的焦点の利点を強調しています。

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4. ストレスとパフォーマンスの関係

研究によると、ストレスが高まると人々はより狭い視野になりがちです。体の動きに集中しすぎることは、特にプレッシャーの多い状況下で、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。このため、プレッシャーの中でも集中を維持するためには、外部的焦点(例えばボールの目標地点やクラブの動き)が有効です。

出典:Vickers, J. N., & Williams, A. M. (2007) は、競技中のストレスが視野を狭め、パフォーマンスを低下させることを示しています。特に、内部的焦点が高ストレス状況でのパフォーマンスを悪化させることが指摘されています。

5. 学習プロセスの遅延

内部的焦点は初期の学習段階では有益かもしれませんが、長期的なスキル習得においては運動の自動化を遅らせる可能性があります。スポーツの技術が自動化されると、選手はより少ない意識的努力で効率的に動けるようになりますが、体の動きに集中しすぎることでこの過程が妨げられることがあります。

これらの理由から、アマチュアゴルファーは技術向上を目指す際に、体の動きに集中するだけでなく、クラブの動きや目標とする結果にも注意を向けることが推奨されます。このバランスが、より効果的な学習とパフォーマンス向上につながります。

ということで練習頑張ります。