ゴルファーの隠れた挑戦・固有感覚の低下とその対策 vol.182

固有感覚の低下:ゴルファーと一般の人の違い

固有感覚は、私たちが自分の体の位置や動きを感じ取る能力です。この感覚が低下すると、バランスの悪化や動作の不正確さが生じることがあります。ゴルファーと一般の人では、その原因に違いが見られることがあります。

ゴルファーにおける固有感覚の低下の原因

反復運動による過負荷

ゴルフは特定の筋肉群と関節に反復的なストレスを与えます。この過負荷が固有感覚受容器に影響を与え、固有感覚の低下を招くことがあります。私が出会っているスイングコーチの方へは、レッスン後に逆振りを行うようお勧めしています。

怪我や過去の故障

膝や背中、肩などの怪我は固有感覚に直接的な影響を与えることがあります。特にゴルフスイング中に頻繁に使われる部位の怪我は、この問題を顕著にします。痛みがなければいいと思いがちですが、痛みが無くとも感覚の低下というものはありえるのです。

一般の人における固有感覚の低下の原因

活動不足

定期的な運動不足は、筋肉の衰えと関節の柔軟性の低下を引き起こし、固有感覚の低下を招きます。

加齢による生理的変化

加齢に伴い、神経系の効率が低下し、固有感覚受容器の感度が減少します。

研究論文出典

  • 「Sports Medicine」誌に掲載された研究では、反復運動がアスリートの固有感覚に与える影響を詳細に分析し、特定のトレーニングが固有感覚を保護する可能性を示唆しています(”Impact of Repetitive Motion on Proprioception in Athletes” – Sports Medicine, 2018)。
  • 「Journal of Geriatric Physical Therapy」においては、高齢者の活動不足が固有感覚に及ぼす影響と、適度な運動がこれをどのように改善するかが報告されています(”Effects of Physical Activity on Proprioception in Elderly” – Journal of Geriatric Physical Therapy, 2019)。

これらの知見は、ゴルファーも一般の人も、固有感覚を維持し向上させるためには、適切な身体活動と予防措置が重要であることを示しています。