アメリカでは、スポーツにおいて多職種が連携し、一つの方向を向くアプローチが広く採用されているとよく耳にします。
これは特にプロのゴルファーをサポートするチーム構成において顕著で、ストレングスコーチ、スイングコーチ、セラピスト、栄養士などが協力し、アスリートのパフォーマンス向上等、統合されたサポートが提供されています。隣国韓国でもそのようなサポート形態になっていると、ツアー参戦中の選手に伺うことができました。
さて日本はどうでしょうか。
日本におけるスポーツメディカルサポートの構造は、医師が中心となるピラミッド型が一般的でありますが、実際はチーム構造を成さないというのが正しいかもしれません。例えばゴルフ、ピラミッド構造であれば他の専門職(例えばスイングコーチやフィットネストレーナーなど)がその指示に従う形となりますが、選手が怪我をしていなければ医師が介入しないことがほとんどで、トレーナーが単独で判断したり、スイングコーチがトレーナーの方針に介入してしまったり(その逆もあるかもしれない)。各専門職の橋渡しをするのは選手自身のため、困惑してします可能性も高い。チームといっても、周囲のスタッフ連携が成功している”チーム”は意外にも少ないと見ています。多くは専門性が尊重されない構造のように見えます。
しかし、より効果的なチームサポートを構築するために、ピラミッドではなく並列型のアプローチを取り入れることは十分可能であり、実際に現場では「連携」が求められているので、自身もどうにかしてこの形態を成功させたいと考えています。数年前よりディレクター役を担いチームを作るところまでは実現できていますが、多職種の連携成功とまではまだ至っていません。韓国はまだこの目で見ていないので情報だけですが、アメリカの例を調べつつ、日本も進化できればとの思いでまとめてみました。
アメリカにおける多職種連携の成功の要因
明確なコミュニケーション
各専門家が定期的に会議を持ち、情報を共有することで、アスリートに関するあらゆる側面がカバーされます。
共通の目標の設定
チーム全員が共通の目標に向かって努力する文化が根付いています。これにより、個々の活動がアスリートの最大の利益に寄与するよう調整されます。
専門家間の尊重
各専門家の意見が尊重され、一方的な意見よりも協調を重んじる文化があります。対して日本は専門性があるようでない職種背景がネックになっているように思います。
継続教育とプロフェッショナル開発
技術の進歩に対応し、最新の知識と技術がチームに組み込まれます。
日本で連携を取ったチーム作りを進めるために必要なこと
組織文化の変革
日本の組織ではしばしばトップダウンのアプローチが採られがちですが、各専門家が等しく意見を出し合えるフラットな組織文化を育むことが重要です。これには上層部からの強いリーダーシップとサポートが不可欠です。
教育と研修の充実
多職種連携の重要性や方法についての研修を定期的に実施し、チームメンバー全員が連携の重要性を理解し、スキルを磨くことができるようにする必要があります。
コミュニケーションの強化
定期的なミーティングを設け、オープンなコミュニケーションを促進することで、各専門家が持つ情報や視点を共有し、一貫したサポートを提供できるようにします。
役割の明確化と責任分担
チーム内での各メンバーの役割と責任を明確にし、それぞれが専門性を活かしながらも、他の専門家と協力する体制を整えることが重要です。
成功事例の共有
国内外の成功事例を積極的に共有し、何が効果的だったのか、どのような課題があったのかを学ぶことで、モデルケースを基にした改善策を講じることができます。
これらの取り組みを通じて、日本でも多職種が連携した効果的なアスリートサポートチームの構築が進むことでしょう。それには、既存の枠組みを超えた新しい試みと、持続的な努力が求められます。日本でもアメリカのような多職種連携のアスリートサポートシステムを実現し、より効果的なアスリートケアを提供することが可能になるのではないかと、夢で終わらないよう試行錯誤を繰り返しています。これまで私が携わるチームの中でも、様々なチャレンジを試みてきました。
アスリートサポートのチームを構成する際には、チーム内の専門職間での協力と尊敬の文化を育むことが非常に重要かと思います。日本においても、個々が上に立とうと競争よりも協力を重視する文化を築くためにはいくつかのアプローチが考えられます
共通の目標の明確化
チーム全体で共通の目標を設定し、各メンバーがその目標にどのように貢献できるかを理解することが大切です。この共通の目標が、個々の功績を超える大きな意義を持つことが重要。
ロールの明確化と尊重
各メンバーの専門性と役割を明確にし、互いの専門性を尊重する文化を築きます。例えば、定期的なミーティングを設けて、各専門職の重要性や対アスリートへの貢献について話し合う場を持つことが有効。
チームビルディングの活動
定期的なチームビルディング活動を通じて、メンバー間の信頼と結束を強化します。共同のワークショップやトレーニングセッションを行い、お互いの専門知識を学び合う機会を作ることが効果的。
オープンなコミュニケーションの促進
チーム内でのオープンなコミュニケーションを奨励し、意見や懸念が自由に表現できる環境を作ります。異なる見解がある場合には、専門職間での理解を深めるために、ディスカッションの場を設けることが大切。
成功事例の共有
チームとしての成功事例や、他のチームでの成功例を共有することで、協力の価値と効果を具体的に示すことができます。これにより、チーム全体としての意識改革を促進。
これらのアプローチを通じて、各メンバーが単なる個人的な成功ではなく、チーム全体の成果に貢献する重要性を理解し、協力的な関係を築くことができるのではないでしょうか。
まとめ
ゴルファーサポートを例とした場合、日頃から、スイングコーチ、トレーナー、栄養士、ストレングスコーチ、セラピスト等のコミュニティは方向性を定めるうえでも必須でしょう。そもそもそうした交流なしに、各地から専門と言われる人材だけを準備しても、選手のためにエネルギーを発揮できないことが多いと感じています。大切なのはエネルギーが集約されて選手の助けになること。
機会あれば、こうしたチームを構成する場合、選手はチームのために何をすべきかをまとめてみたいと思います。