渋滞後の緊張を解消・ゴルフ前の効果的な深呼吸テクニック vol.220

 

先日お見えになった、ゴルファーの患者さんが、渋滞等で到着がギリギリになるとその日はスコアが悪いと言われていました。

ゴルフラウンド前の状況によって、パフォーマンスに影響を与える身体的および心理的変化があります。渋滞に巻き込まれて慌ててスタートする場合と、十分な時間があってリラックスしてスタートする場合とでは、以下のような違いが考えられます。

ストレスとリラクゼーションの影響

慌ててスタートすると、ストレスホルモンが増加し、心拍数や血圧が上昇し、筋肌の緊張が起こります。これにより、集中力が低下し、パフォーマンスが悪化することがあります​ (Goral Golf)​​ (The Sport Journal)​。

逆に、早めに到着してリラックスする時間がある場合、副交感神経が優位になり、リラクゼーション効果が高まります。これにより、心身の状態が安定し、集中力が向上し、より良いパフォーマンスを発揮できる可能性があります​ (Golf & Health)​​ (Instruction For The Mental Game of Golf)​。

準備の違い

十分な準備時間があると、適切なウォームアップができ、筋肉や関節の柔軟性が向上し、怪我のリスクが減少します。また、心理的にもゲームに集中しやすくなります​ (Golf Insider)​。

急いでいると、ウォームアップが不十分になりがちで、パフォーマンスに直接影響を及ぼす可能性があります。

心理的準備

リラックスしていると、自己認識と衝動制御が向上し、ストレス管理が効果的に行えます。これにより、プレー中の意識が高まり、ネガティブな感情や考えが減少します​ (Instruction For The Mental Game of Golf)​。

このような知見を元に、ゴルフラウンドの前には、ストレスを管理しリラックスするための時間を確保することが推奨されます。例えば、心地よい音楽を聴いたり、深呼吸や瞑想などのリラクゼーション技術を用いることが有効です。これらのアプローチは、ゴルフのパフォーマンスだけでなく、全般的なメンタルヘルスにも好影響をもたらすとされています​ (The Sport Journal)​​ (Golf & Health)​​ (Instruction For The Mental Game of Golf)​。

もし渋滞にハマったら深呼吸

もしも渋滞にはまってしまい、十分なストレッチができないとしたら、深呼吸だけでもおこないましょう。

深呼吸は、横隔膜や肋間筋を効果的に動かすことで、体の回転をスムーズにし、ゴルフスイングのパフォーマンスを向上させることができます。横隔膜は呼吸の主要な筋肉であり、この筋肉を活発に動かすことで、リラクゼーション効果が高まり、全身の緊張が和らぎます。肋間筋もまた、胸郭の拡張と縮小を助け、深い呼吸を促進します。

深呼吸を行う際には、以下の点に注意してください

  • 座った状態でも立っている状態でも、背筋を伸ばしてリラックスした姿勢をとります。
  • 鼻からゆっくりと深く息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じましょう。
  • 吸い込んだ息を数秒間保持し、その後、口か鼻からゆっくりと息を吐き出します。

この深呼吸を数回繰り返すことで、心身のリラックス効果を高めるとともに、肋間筋や横隔膜の柔軟性を向上させることができます。ゴルフのプレイ前に深呼吸を数回行うことで、緊張を和らげ、スイングの質を向上させる効果が期待できるため、ぜひ日常的に取り入れるように提案することが有効です。また数ホールカートに乗らずに歩くことで、体を温めることも必要です。ただし慌てた早歩きはかえって心拍数を上げてしまうことにつながり、体の緊張感がとれないことにもつながりますので注意が必要です。