怪我をして単なる休めはないvol.105

Man with broken leg in blue splint for treatment of injuries from ankle sprain reading books at the home rehabilitation.

当院には、スポーツ愛好家の患者様の来院が多いのですが、その患者様からは、「先生は休めと言わないから」とよく言っていただけます。
ただこれ…「ただ休まなくていいです」と言っているのではなく、正しいステップを踏んでいる方に、そのようなご案内になることを改めてコラムでお伝えできればと思っています。

怪我によって体力が落ちた場合、安全かつ効果的に体力を取り戻し、再び活動に復帰するためには段階的かつ総合的なアプローチが必要ですが、大切なことは怪我や故障の程度を正確に把握しておくことです。

ここが正しいスタートを切れるか切れないかになります。マストではありませんが、怪我の程度によっては医師を先に紹介するケースもあります。以下ご参考にいただけたら幸いです。

 1. 医師の診断と指示

怪我の程度を正確に把握し、治療計画をうかがいましょう。運動を再開するタイミングや避けるべき活動についての専門的なアドバイスを受けることが重要です。ただ「休め」ではないケースがほとんどですよ。

2. 治療とリハビリテーション

怪我の種類に応じた治療を受け、リハビリテーションに取り組んでください。我々柔道整復師や、クリニックのリハビリ専門家の指導のもと、怪我をした部位の機能回復に努めます。

3. 徐々に運動量を増やす

怪我の回復に合わせて、徐々に運動量を増やしていくことが大切です。最初は軽いストレッチや歩行から始め、段階的に強度を上げていきます。例えば手の怪我で、歩くことも禁止は殆どありません。動かせるところは動かして、単に安静=動かないとしない。

4. 全身のバランスを整える

特定の部位だけでなく、全身のバランスを整えることが重要です。体の他の部分も鍛えることで、怪我のリスクを減らし、より早く元の状態に戻ることができます。

 5. 栄養と休養

栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分な休息を取ることで、体の回復を促進します。特にタンパク質やビタミン、ミネラルを含む食品の摂取をお勧めします。

 6. 水分補給を忘れずに

体を動かす際は、適切な水分補給が必要です。水分不足はパフォーマンスの低下や、怪我の回復を遅らせる原因にもなります。
30ml×体重/1日

7. メンタルのケア

 怪我は精神的にも大きな影響を与えます。回復過程で焦りや不安を感じた場合は、メンタルヘルスの専門家に相談するのも一つの方法ですが、怪我をしたら放置せずに、適切な処置を施しておくことが何よりも大切かと思います。

 8. クロストレーニング

怪我の影響を受けにくい運動形式を取り入れることで、体力の維持や向上を図ります。例えば、水泳やサイクリングなど、低衝撃の運動がお勧めです。また、同じ競技に復帰すると今までと同じを繰り返すことになりますので、あえて違う動きの運動を取り入れることも有効とされています。

 9. ペースを守る

怪我をしていない時と同じペースで運動を再開しようとすると、再び怪我をするリスクがあります。自分の体の状態をよく観察しながら、無理のない範囲で運動を続けてください。怪我からの回復は時間がかかるプロセスです。焦らず、自分の体を信じ、専門家のアドバイスも取り入れながら正しいステップを踏んでいくことが大切かと思います。