骨盤前後傾と腰痛の関連vol.69

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ゴルファーで腰痛をかかえられる患者様に、骨盤の前後傾や回旋、また胸椎回旋を行っていただくことがあります。


ゴルフスイングは、人の体力の違いがあることを前提にゴルフスイングの要点を抑えた上で、色付けされていくのが理想かと考えますが、体力(瞬発力・持久力・コーディネーション(調整力)・柔軟性etc)が異なるものの、理想のスイング習得が先行するために、成長に差が出たり、またはその前に故障されたりするケースが後を絶えないところです。

理想とするスイングを身につけようとする場合、技術向上のために一定の体力が必要であるということ。技術が伸びないときに行き詰まってしまう原因の一つではあると考えます。

最近では、個人の体力の差があること前提にしたスイング指導をされるコーチが増えつつありますが、比率としてはかなり少なく、どうしてもスイング先行になりつつあるようです。

さて、ここでご紹介するものは、「骨盤の前後傾」です。この動作ができることで、腰痛の全てが解決するわけではありませんが、何かしらのゴルフスイングエラーとの関わりは考えられ、腰痛との関連研究結果がいくつかありましたので紹介します。具体的な動作については、動画にてご紹介できるよう近日アップいたします。

骨盤の前後傾と腰痛の関連性に関する研究

骨盤の前後傾運動の筋活動に関する分析

骨盤の前傾運動が特に腰椎前彎角を増加させることが確認され、これが腰痛の一因となる可能性が示されています。骨盤後傾運動ではこの前彎角が減少し、腰痛のリハビリテーションに利用されることが多いです​ (JSTAGE)​。

骨盤周囲の筋肉の活動と骨盤の動きの関係性

骨盤の前傾時には特定の脊柱起立筋や多裂筋が活動し、これが骨盤の運動を助けるとされています。一方、骨盤後傾時は主に内腹斜筋の活動が関与しており、これらの筋肉の適切な機能が腰痛予防に重要であると考えられています​ (JSTAGE)​。

骨盤の開閉の動きと腰痛の関連性

骨盤の開閉比率が腰痛の有無に影響を与える可能性が示唆されており、骨盤の開きが大きい人は腰痛になりやすいという傾向があります。この動きは特に仙腸関節によって誘導されるため、この関節の機能が腰痛予防に直接関係している可能性があります​ (JSTAGE)​。