ゴルフは、野球やサッカーなどの他のスポーツと比べて特有の技術的側面があります。
その中でもゴルフスイングは、高度に技術的で複雑な動作であり、そのメカニズムを完全に理解しているトレーナーや医療従事者は意外にも少ないのが現状かと思います。この状況は、ゴルフのスイングを改善し、怪我を予防し、パフォーマンスを向上させるために、スイングコーチや専門の指導を受けるメリットを明確にしていると思います。
パフォーマンスの向上
ゴルフのスイングは、非常に複雑な身体の動きを伴います。これには、バランス、力の配分、タイミングなどが密接に関係しており、わずかな誤差が大きな結果の違いを生むことがあります。
専門のスイングコーチは、これらの細かな動きを正確に分析し、プレーヤーがより効率的で効果的なスイングを身につけられるように指導します。結果として、より遠くに正確にボールを打つことができるようになり、スコアの改善につながります。
怪我の予防
ゴルフスイングの間違ったフォームは、肩、背中、膝など、様々な部位に負担をかける原因となります。特にゴルフは反復動作が多いスポーツであるため、これらの負担が積み重なることで、長期的な怪我につながるリスクがあります。専門の指導を受けることで、正しいフォームを身につけることができ、怪我のリスクを大幅に減少させることが可能になるでしょう。ただし、一般的に怪我をしないスイングという習い方はされないはずで、コーチの指導通りにスイングを試みるものの、個人の体の特性で、特定の関節の負荷が大きくなり結果的に傷害になるのかもしれません。
知識と理解の深化
ゴルフのスイングには、物理学的な原理が深く関わっています。スイングコーチは、これらの原理を理解しており、それをプレーヤーに伝えることができます。この知識を持つことで、プレーヤーは自分のスイングに何が影響しているのかをより深く理解し、練習やプレーの際に意識的な改善を行うことができます。
カスタマイズされた指導と原理原則を伝える
人それぞれ体型や身体の柔軟性、力の出し方が異なります。そのため、一人ひとりに最適なスイングスタイルは異なるはず。専門のスイングコーチは、個々のプレーヤーの特性を把握し、最適なスイングスタイルを見つけ、カスタマイズされた指導がのぞましいといえます。しかし実際には一つの形を誰にでも同じように指導し、上手くなる人と上手くならない人がハッキリしてしまうケースが多々あるようです。
ゴルフスイングの専門的な指導を受けることは、パフォーマンスの向上、怪我の予防、スポーツへの理解の深化、そして個々に最適なスイングスタイルの発見という、数多くのメリットをもたらします。これらは、プレーヤーがより楽しく、安全にゴルフを楽しむための重要なステップですが、実際にすべてのお客様に対しカスタマイズした指導ができるコーチはそう多くないと思っています。よって、体が異なること前提で考えれば、ゴルフスイングの原理原則の部分=大事な部分だけでも、トレーナーや医療従事者は知っておいて、我々に損はなく、もちろんお客様、患者様のにも損はない話かと思います。
傷害からの回復
自身は、選手や患者様と接する際に、基本的にはスイング指導に介入しないようにしています。
一番は専門知識がそう多くないこと、また責任も持てないからです。ただ、例として、ゴルフ肘の患者さんが、肘の治療ですぐ回復されたとします。上腕骨外顆炎(ゴルフ肘)が治ったとします。受診した医療機関だけで解決してしまうかもしれませんが、もしゴルフスイングが原因で、肘を痛めた場合は、必ず再発するのは想像に容易いです。
こうなると、スイングに介入せずにはいられません。勿論この時にコーチがいればその方に指導を受けるべきですが、日常コーチに指導を受けている中で再発となれば、やはり違う視点を取り入れてみるのも、直すために近道と言えると思います。