ゴルフプレーヤーのための関節ケアガイド vol.77

例えば当院で、肘の外側が痛い、ゴルフをされる患者様を診させていただく際、その傷病がどんなものか分かり次第詳細に説明させていただき施術に入りますが、余程重度でない限り、痛み・炎症そのものは適切な処置を行い、休息を加えれば改善してくものがほとんどかと思います。

しかし問題があります。

「どうして痛くなったのか」運動による障害の場合、ここに切り込まない限り、休息で改善されたものは運動を再開すればまた痛くなる可能性が非常に高いものです。

転んだ…ブツけた…などの外傷以外、ゴルフにおける関節障害は、主に繰り返される動作と不適切な体の使い方に起因します。特に40歳を超えると、体の耐久力や回復力が低下し、障害のリスクが高まりますので、繰り返しの運動により痛めたものは、その根源を見つけて改善しない限り繰り返すことがわかっています。

ゴルフによる主な関節障害の原因

腰痛の原因と予防策

スイング時の体の使い方

不適切なスイングフォーム、特に体の回転において、腰に過剰な負担をかけることが腰痛の一因となります。適切なフォームを維持するためには、コーチの指導のもとでの練習が推奨されます。

筋力の不均衡

腹部や背中の筋力が不足していると、腰に過剰な力がかかります。これを防ぐためには、コアの筋肉を強化するエクササイズが効果的です。

ストレッチの実践

腰痛予防のためには、特に腰周りの柔軟性を高めるストレッチが重要です。スポーツ前後のストレッチにより、筋肉の柔軟性を保ち、腰への負担を減少させることができます。

ローテーターカフ損傷

ゴルフスイングの反復動作により、肩のローテーターカフの腱が炎症を起こすか、裂けることがあります。これにより、痛みや動きの制限が生じることがあります​ (EW Motion Therapy)​。

ゴルファーズエルボー(上顆炎)

この状態は、手首や指の制御に関わる筋肉と腱への過剰なストレスによって引き起こされます。特に、グリップやスイングの際の不適切な動作が原因で発生することが多いです​ (Mayo Clinic)​。

関節炎

ゴルフは反復動作が多いスポーツであるため、特に手、手首、肘、膝の関節炎を悪化させることがあります。年齢とともに関節の軟骨が摩耗し、痛みや動きの制限が生じやすくなります​ (Mayo Clinic)​。

予防と対策

ウォーミングアップとストレッチ
活動前の適切なウォーミングアップとストレッチで筋肉と腱を柔軟に保ちます。練習場に到着するとすぐに打ち出したいものですが、私ならば最低10分程度はウォーミングアップに時間を使います。それが障害の予防にもつながり、練習量も増やすことができます。

また先日見ていたyoutube動画で、プロや上級アマの練習の手順を紹介する動画がありました。この動画の中で日本学生でも活躍される選手は、「どんな練習から始めるのか?」という質問に対して「しっかりストレッチをする」と回答されていました。

適切なフォームの維持
ゴルフのインストラクターにスイングのフォームをチェックしてもらい、筋肉への負担を減らすよう改善します。スポーツ全般に運動効率を高めることは怪我や障害の予防につながると言われています。(方や人間本来の持っている動きに近い方が怪我をしにくいという考えもあります。)

適切な機材の使用
軽量でグリップサイズが合ったクラブの使用が肘や肩への負担を軽減します。

これらの原因と対策を理解し、適切な予防策を講じることで、ゴルフにおける関節障害のリスクを減少させることができます。